エイズなど、性感染症の感染者数は年々増加しています。
そんな性感染症は性行為を一度でもした事がある人なら感染している可能性がある病気です。
自分自身が感染しない、そして周囲にうつさないためにも正しい知識を学んでいきましょう。
今回はそんなHIVとエイズの違い、そして性感染症の対策について解説します。
【初めに】今回の記事で頻出する用語の解説
用語 | 意味 |
---|---|
HIV | ウイルスの名前。ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)の頭文字を取ったもの。 |
エイズ(AIDS) | 後天性免疫不全症候群(Acquired Immunodeficiency Syndrome)の略称。 |
潜伏期間 | 病気に感染してから初期症状が出てくるまでの期間。 |
帯状疱疹 | 読みは「たいじょうほうしん」皮膚にかゆみを伴うブツブツができてしまう病気。 |
梅毒 | 読みは「ばいどく」オーラルセックス(口と性器の接触)やアナルセックス(性器と肛門の接触)で感染。潜伏期間は3週間から6週間前後。主な症状は性器や肛門・口にただれ・手のひらや足の裏に発疹(ほっしん)・脳や心臓での病変 |
オーラルセックス | 口や舌で女性器を愛撫する行為。 |
アナルセックス | (主に男性同士のセックスで)男性器にペニスや指を挿入して快感を楽しむ行為。 |
デンタルダム | クンニリングス(口や舌で女性器を愛撫する行為)専用のコンドーム。 |
HIVとエイズの違いとは?
HIV感染というのはHIVというウイルスが体に潜伏している状態です(潜伏期間は数年から数十年)。
エイズはHIV感染によって引き起こされる病気の総称をいいます。
そんなエイズですが、感染するとどのような症状が出てしまうのでしょうか。
次はその症状について解説します。
エイズの主な症状
エイズの初期症状は熱がある・体が怠い・下痢・頭痛といったものです。
その後、帯状疱疹といった健康だったときにはかからない病気になってしまったり、急激な体重低下などが起こります。
適切な治療を施さないと最悪の場合、死亡してしまう事もあります。
では、そんなHIV感染はどのように引き起こされるのでしょうか。
次は主な感染経路について解説します。
一番多い感染経路は性行為
性器同士の接触などを通じて、精液・膣分泌液・血液が性器・肛門・傷口などから入り、感染します。
また、性的興奮により男性の性器から分泌されるカウパー腺液にもHIVが含まれているので要注意です。
そんな性感染症ですがどうすれば防げるのでしょうか。
次の項目からは主な予防策について解説します。
エイズに感染しないための予防策5つを紹介
【予防策①】コンドームを正しくつける
予防策1つ目はコンドームを付ける事です。
コンドームを付けても防げない性感染症もありますが(後述)、正しく付ければ感染リスクを減らすことが出来ます。
またコンドームは女性器に挿入する時に装着するのではなく、ペニスが勃起したらすぐ装着する事を心掛けましょう。
性的興奮でペニスから分泌されるカウパー腺液にもHIVが含まれているからです。
カウパー腺液がふと女性の性器に付着しないようにという理由からです。
【予防策②】性行為の前にトイレに行ったり、体を洗う
予防策2つ目は性行為の前にトイレに行ったり、体を洗う事です。
好きな人と体を重ねるのですから、体を綺麗にするという事はマナーの1つです。
こういった事が性感染症を防ぐ事にも繋がります。
【予防策③】コンドームをつけていても感染してしまう性感染症がある事を知る
予防策3つ目はコンドームをつけていても感染する性感染症があるのを知るという事です。
その代表例が梅毒です。
コンドームでは覆われていない肛門などに感染箇所があった場合、その感染箇所と接触して感染する可能性があるからです。
だからコンドームを着けていても100%安心というわけではありません。
次の項目ではコンドームをつけていても感染してしまう性感染症への対策を解説します。
【予防策④】セーファーセックスを心掛る
予防策4つ目はセーファーセックスを心掛ける事です。
セーファーセックスとは正しい予防策を講じて行うセックスの事です。
一例としては以下の通りです。
- コンドームの装着:着け方やサイズを間違えると避妊に失敗する可能性大。
- 性器同士の接触を避ける:フェラチオの際はコンドームが装着されたペニスを愛撫。クンニリングスの際はデンタルダムというクンニリングス専用のコンドームを使う。
雰囲気の問題もあり、中々上のようなことが出来ないのが現状です。
しかし、自分とパートナーの事を守るためにもセーファーセックスはとても大切です。
セックスの前にこういった知識をパートナーさんと一度共有してみましょう。
【予防策⑤】定期的な検査を受ける
予防策5つ目は定期的な検査を受ける事です。
自分、そして大切な人を守るためにも定期的な検査による早期発見が重要です。
なお、検査は以下の場所で受けられる事が出来ます。
- 病院(性感染症内科など)→症状が出ていると保険が適用される。
- 性感染症クリニック→高額だが、検査結果判明まで早い。
- 検査キット→高額だが、インターネットを通じて購入可能。
- 保健所での検査→検査項目が限定されてしまっているが無料且つ匿名で受けられる。
こんな団体があるよ
ここまで記事を読んでくれた方々はエイズやHIVに関する知識を集めてみたいとお思いになったのではないでしょうか。
そんな方々のためにHIVやエイズに関する啓発活動を行っている団体を紹介します。
その団体は特定非営利活動法人ぷれいす東京といいます。
HIVに関して、対面(内容によって可)や電話相談を受け付けています。
またHIVだけでなくセクシュアリティに関する悩みや自分が置かれている立場に合わせた情報などが公式サイトに掲載されています。
ここから飛ぶ事が出来るので気になる方はぜひ見てみてください!
まとめ
- HIV感染:HIVというウイルスが体に潜伏している状態。
- エイズ:HIV感染によって引き起こされる病気の総称。
- エイズの初期症状は、頭痛や体が怠い、下痢を起こすなどが挙げられる。適切な処置を施さないと、最悪の場合、死に至る。
- 梅毒などコンドームを着けても感染してしまう性感染症がある。
- セーファーセックスを心掛ける事は自分と相手を守る事に繋がる。
終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
エイズといった性感染症は性行為を一度でもした事がある人は感染している可能性があります。
そんな性感染症を防ぐには正しい知識を持ち、実践する事がとても重要です。
間違った知識で自分自身や相手を傷つけないためにもぜひ、この記事を活用していただければ幸いです。
参考文献一覧
北海道大学病院HIV診療支援センター 北海道HIV/AIDS情報「HIVとエイズについて」
https://www.hok-hiv.com/knowledge/about/(2023年12月3日 閲覧)
独立行政法人国立病院機構九州医療センター 九州ブロックHIV/AIDS情報ページ「HIV感染症とエイズの違い」
https://kyushu-hiv.info/hiv/hiv-and-aids.html(2023年12月3日 閲覧)
北海道大学病院HIV診療支援センター 北海道HIV/AIDS情報「HIV感染からエイズ発症まで」
https://www.hok-hiv.com/knowledge/process/(2023年12月3日 閲覧)
新宿駅前クリニック「梅毒とは?原因・症状・検査・治療など」
https://www.shinjyuku-ekimae-clinic.info/hinyoukika/baidoku.html(2023年12月3日 閲覧)