皆様は、性感染症について知っていますか?
性感染症とは、性行為を通じて感染する病気の事を言います。
記事タイトルにもあるHIV/エイズも、性感染症の一種です。
そんな性感染症に罹患しないためには、正しい知識を持つことが必要となります。
自分自身や相手を傷つけないためにも、正しい知識を一緒に学んでいきましょう。
そもそも性感染症とは?

性感染症とは、セックスといった性行為を通じて、感染する病気の事を言います。
セックスなどの経験が一度でもあれば、感染する可能性があり、感染したとしても、症状に気付きにくい場合があります。
そんな性感染症の代表例(一部抜粋)は以下のようなものです。
- 梅毒(ばいどく):性器や性器周辺の皮膚などにできものやただれ。
- 尖圭(せんけい)コンジローマ:性器・性器周辺にイボ。
- 淋病(りんびょう):(女性の場合)おりものが緑黄色になる・尿道から膿。
(男性の場合)尿道にかゆみ・熱っぽさ(1)
次の項目からは、性感染症にまつわる重要な知識について解説をします。
検査可能時期とは?
性感染症にまつわる重要な知識、それは検査可能時期です。
性感染症を正しく検査するために、感染した機会から空けなければならない期間の事を言います。
この期間が過ぎていないまま、検査をしても正しい結果を得る事は出来ません。
もし性感染症の検査をするなら、この検査可能時期を過ぎてからにしてください。
ちなみに代表的な性感染症の検査可能時期は以下の通りです。
代表的な性感染症 | 検査可能時期 |
---|---|
HIV/エイズ | 60日以上(即日検査は90日以上) |
淋病 | 24時間後 |
梅毒 | 4週間以上 (1) |
次の項目からは、HIVとエイズの違いについて解説します。
HIVとエイズの違いとは?
HIVとはウイルスの名称を指す言葉です。
一方でエイズとは、HIVに感染した結果、引き起こされる病気の事を言います。
そんなHIVに感染してしまう主な原因は以下の3つです。
- 性行為:相手の性器や肛門、口の粘膜などから感染
- 血液:HIVが存在している血液を輸血してしまった場合など
- 母子感染:HIVに感染した母親から子供へと感染
次の項目からは、エイズの症状について解説します。
エイズの症状とは?

初期症状は、発熱・倦怠感・下痢といったものです。
その後、帯状疱疹などといった健康時にはかからない病気になってしまいます。
またエイズの特徴としては、潜伏期間が数十年に及ぶ事が挙げられます。
つまり、感染に気付かないまま、身体の中で病状が進行しているという事になります。
適切な治療を施さないと、最悪の場合、死に至る事もあります。
そんな、エイズをはじめとする性感染症を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
次の項目からは、性感染症の対策方法を4つ解説します。
性感染症の対策方法

【対策①】コンドームの着用
対策1つ目は、コンドームの着用です。
正しく着用をすれば、性感染症へ感染する可能性を下げる事が出来ます。
ただし、梅毒や性器ヘルペスなど、コンドームを付けても防げない性感染症もあります。
コンドームは100%万能でない事を絶対に忘れないでください。
コンドームが100%万能でない事を理解した上で、コンドーム以外の対策を考える事も重要となります。
【対策②】HPVワクチンの接種
対策2つ目は、HPVワクチンの接種です。
HPVワクチンを接種する事で、尖圭コンジローマなどの性感染症を予防する事が出来ます。
ちなみにですが、HPVワクチンを接種する上で、相談窓口があります。
もし、接種を希望される方は、この相談窓口に問い合わせてみる事もオススメです。
併せて見たい!①
HPVワクチン接種に関する相談は以下から問い合わせる事が出来ます!
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/inful_consult.html
【対策③】定期的な検査を受ける
対策3つ目は、定期的な検査を受ける事です。
例えば、パートナーと性行為をした後や、パートナーが変わるタイミングなど、です。
先程も説明しましたが、性感染症は潜伏期間が長く、感染していても気付かない場合があります。
病状進行を食い止めるためには、早期発見が必要となります。
男性の場合は泌尿器科、女性の場合は婦人科で、性感染症の検査を受ける事が出来ます。
万が一陽性の場合は、外服薬や内服薬、注射等による治療が行われる事になります。
具体的な治療方法については、検査先の病院へ確認する事も忘れないでくださいね。
【対策④】セーファーセックスを心掛ける事
対策4つ目は、セーファーセックスを心掛ける事です。(2)
セーファーセックスとは、より安全なセックスの事で、避妊を指すワードではありません。
あくまで目的は性感染症へ感染する可能性を下げながら、性行為をする事です。
具体的な対策は以下の通りです。
- 性器や肛門へ直接のオーラルセックス(口での愛撫)をしない。
→デンタルダム(クンニリングス専用のコンドーム)の使用。フェラチオもコンドームが着用されている陰茎に対して行う。 - 不特定多数の相手と性行為をしない。
また、先程説明したコンドームの適切な着用などもセーファーセックスの有効な対策です。
セックスをする前に、パートナーとセーファーセックスの方法について、じっくり話す事もオススメです。
さて、ここまで性感染症の対策方法について見てきました。
次の項目からは、HIV/エイズに関する相談機関について解説します。
HIV/エイズに関する相談機関
紹介するのは、認定NPO法人ぷれいす東京です。
この団体は、HIV/エイズと共に生きている人が、ありのままの自分でいられる環境作りを目指しています。
HIV/エイズに関する相談を電話から行う事が出来ます。
公式HP上では、HIV/エイズやセクシュアリティにまつわる当事者自身の声が掲載されています。
また、テーマごと、専門家を招いてのイベントなども開催します。
HIV/エイズについてより知りたい方はぜひ一度サイトをご覧になってはいかがでしょうか。
併せて見たい!②
b-LIGHT公式サイトでは、ぷれいす東京に関する情報を掲載しています。
団体に関する基本情報や、URL(外部リンク)も確認する事が出来ます。
下記URLから、ぜひご覧ください。
まとめ
最後に、今回の記事内容についてまとめます!
HIV/エイズについて
- HIVはウイルスの名前、エイズはHIV感染によって、引き起こされる病気の事。
- 初期症状は発熱など。その後、健康時にはかからない病気になってしまう。
- コンドームの適切な着用、HPVワクチン接種、定期的な検査、セーファーセックス徹底がHIV/エイズをはじめとする性感染症予防へとつながる。
性感染症は怖い病気ですが、正しい対策を行えば、感染するリスクを下げられる事が出来ます。
そのためには、まず正しい知識を有する事が必要不可欠です。
そして、いざという時に、その知識を行動として表していく事が、この記事を読んでくれた方にとっての最終目標です。
性知識をより増やしていくために、今回の記事を有効活用していただければ幸いです。
参考文献書籍一覧
STD研究所, ❞STDの知識❝, https://www.std-lab.jp/aboutstd/ (2025年8月15日 最終閲覧)
(1)瀧本いち華 日本性知識普及協会, 人に言えない男女の悩みをすべて解決する おとな性教育, 株式会社KADOKAWA, 2023, 182p
(2)瀧本いち華 日本性知識普及協会, 人に言えない男女の悩みをすべて解決する おとな性教育, 株式会社KADOKAWA, 2023, 200~201p