こんにちは。b-LIGHTのライター、
ホノカです!
今回の記事のテーマは
「シビルユニオンとは?」です。
このシビルユニオンという考え方は
ドメスティック・パートナーと呼ばれる
結婚という概念に囚われない関係性が
提唱されたことがきっかけで生まれました。
そんなシビルユニオンはどういった歴史を
経て生まれたのでしょうか。
今回はその意味と歴史的背景を解説します。
シビルユニオンとは
シビルユニオンとは法律婚に近い関係性を法的に認めてもらう取り決めの事を言います。
法律婚とは?
法律で認められている男性と女性同士の結婚の事。
特徴は法律婚における法的な権利保障(税金が安くなる、給付金を貰えるなどの)のほぼ全てが認められる事です。
そんなシビルユニオンはどのような経緯を
辿って誕生したのでしょうか。
次の項目からはその歴史について
解説します。
シビルユニオンの歴史を
見てみよう
始まりは1970年代から
まだシビルユニオンという言葉が存在しなかった1970年代に、アメリカでトム・ブルーム氏というゲイ活動家の方が「ドメスティック・パートナー」という言葉を提唱しました。
ドメスティック・パートナーとは
同棲していて、男女の結婚のような
関係を築いている方々を指す言葉です。
また、ドメスティック・パートナー法は同性カップルに対して法律婚における法的な権利保障の一部を認めてあげるという法です。
その後、1980年代に入ると、アメリカ・サンフランシスコ(カリフォルニア州)でトム・ブルーム氏がドメスティック・パートナーを認めてもらうよう、仲間達と法律の草案(下書き)を作成しました。
この草案が今現在、世界で広く知れ渡っているドメスティック・パートナー法/シビルユニオンに関する法律のプロトタイプとなっています。
「自分が感じている考え方は社会にはまだ存在しないから、生きづらい。なら、自分でその考え方を表す言葉を新しく作って広めていきたい。」
きっと、トム・ブルーム氏はそんな事を考えてシビルユニオンというワードを思いつき、提唱したのかもしれません。
ドメスティック・パートナー法の成立と大きな転機
1989年、所変わってデンマークで「登録パートナーシップ」というシビルユニオンが世界で初めて成立しました。
また同年にはサンフランシスコ市でもドメスティック・パートナー法が成立しています。
このようにシビルユニオンはドメスティック・パートナーという言葉が発展したものなのです。
シビルユニオンが
認められている国は?
イタリアやサンマリノ共和国、スイス、ハンガリーなど欧州を中心にシビルユニオンが認められています。
他方、日本では同性婚といった法律婚に囚われない関係性を法的に認める法律や制度は存在しません。
ですがLGBTQカップルの方々向けの制度が
日本に全くないというわけではありません。
次の項目ではその制度について解説します。
同性パートナーシップ制度
とは?
先程の項目で触れた制度というのが
同性パートナーシップ制度です。
内容としては各自治体がLGBTQカップルの方々に対して独自に「結婚に相当する関係」という証明書を発行し、社会的配慮を受けやすくするものです。
ただ法的権利保障のほぼ全てが認められるシビルユニオンとは違い、この同性パートナーシップ制度には法的な拘束力はありません。
そのため、残ったパートナーに自分の財産を相続させるといった事も出来ません。
ちなみにb-LIGHTには運営者のばんさんが同性パートナーシップ制度について執筆した記事があります。
こちらから記事に飛ぶ事が出来るので気になった方はぜひ見てみてください。
では次の項目では日本で同性婚が認められない理由を解説します。
日本で同性婚が認められないのは何故?
民法では男性と女性の結婚が前提であるという解釈がされているから
理由は世間一般では男性と女性の結婚が前提で同性婚は想定されていないといった解釈がされているからです。
その解釈の元となったのが民法という法律です。
民法とは
普段の生活で適用される権利や義務についてまとめた法律の事。
結婚に関しては「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」と民法第七百五十条で定められています。
世間一般では「夫婦=男性と女性の事を指しているから、男性と女性の結婚が前提」といいう民法に基づいた解釈がされています。
その解釈の結果、民法においては同性同士の結婚は一切想定されていないという結論になってしまいました。
ただ、一方で別の解釈をすることが出来ます。
その解釈については次の項目で解説します。
同性婚は禁止されていない?
民法では男性と女性の結婚が前提となっていて、同性婚は一切想定されていません。
ただ、「同性婚をしてはならない」というような条文はどこにも見当たりません。
また日本国憲法第二十四条には結婚に関する条文が明記されています。
ここでも「両性の合意」や「夫婦」という言葉が登場しますが、世間一般の解釈としては両性=男性と女性であると捉えられてしまいました。
ですが日本国憲法も民法同様、「同性婚をしてはならない」という法律はどこにも見当たりません。
つまり、国の最高法規である日本国憲法は同性婚を禁止してはいないという解釈が出来るのではないでしょうか。
「もし自分がそうされたら?」と想像してみる事から始めよう
今回、取り上げたシビルユニオンや同性婚を自分事として捉えて考えていく事は当事者の方であったり、同性婚などに興味・関心がある方でない限り、難しい事だと思います。
ただ、「じゃあ自分には関係ないから、俺の考えを押し通しちゃえ」という事は許されません。
必ず誰かが傷つくからです。
例えば、Aさんという方が杏仁豆腐が大好物だったとしましょう。でも、Bさんは杏仁豆腐が苦手です。
自分の考えを押し通すという事は極端な話、AさんがBさんに無理やり杏仁豆腐を食べさせようとするのと同じ事です。
そんな事、誰だってされたくありません。
自分だけの意見を通すのではなく、相手がどんな気持ちになるのか考える事が相互理解に繋がります。
それは今回の記事だけではなく、今までに書いた記事やこれから執筆する全ての記事に言える事です。
【理解を深めるには?】もし興味・関心があればまずは調べてみよう
同性婚やシビルユニオン、アセクシュアル
といった言葉の知名度はまだまだ低いです。
ですが、こういったLGBTQ関連の話題はこのb-LIGHTなど様々なサイトで調べる事が出来ます。
また調べてみて、そこからまた大きな一歩を踏み出す事も出来るかもしれません。
まとめ
用語 | 意味 |
---|---|
シビルユニオン | 法律婚に近い関係性を法的に認めてもらう取り決めの事。法律婚における法的な権利保障制度のほぼ全てが認められる。 |
ドメスティック・パートナー | 同棲していて男女の結婚のような関係を築いている方々。シビルユニオンとは異なり、法律婚における法的な権利保障制度の一部が認められる。1970年代にアメリカでゲイ活動家のトム・ブルーム氏が提唱。 |
ありがとうございました!
最後まで記事を読んでいただき、
本当にありがとうございました。
シビルユニオンはアメリカでドメスティック・パートナーと呼ばれる法律婚に囚われない関係性が提唱されたことがきっかけで生まれました。
同性婚やシビルユニオンに関しては、海外では知名度が高い一方、日本での知名度は非常に低いです。
そのため、日本ではまだ同性婚やシビルユニオンに関しての理解が浅いままです。
そんな状況だからといって、自分の考えを押し通して人を否定するような事は絶対にやめてください。
また同性婚やシビルユニオンに関してもこのb-LIGHTなど調べられるサイトはたくさんあります。
もし興味・関心があればぜひ一度調べてみてはいかがでしょうか。
今後も「シビルユニオンと同性婚の違い」や「パートナーシップ制度と事実婚の違い」などといったテーマの記事を執筆する予定です。
また、記事を読んでいただけると幸いです!
参考文献一覧
Magazine for LGBTQ+ Ally PRIDE JAPAN
「LGBTQ用語解説」(シビルユニオン)
https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/glossary/sa/2.html(2023年12月3日 閲覧)
Magazine for LGBTQ+ Ally PRIDE JAPAN
「LGBTQ用語解説」(ドメスティック・パートナー法)
https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/glossary/ta/1.html(2023年12月3日 閲覧)
結婚の自由をすべてに-Marriage for All Japan-「同性婚のこと 実現への道のり」
https://www.marriageforall.jp/marriage-equality/why/(2023年12月3日 閲覧)
結婚の自由をすべてに-Marriage for All Japan-「同性婚のこと 憲法と同性婚」
https://www.marriageforall.jp/marriage-equality/constitution/(2023年12月3日 閲覧)
日本LGBTQサポート協会「パートナーシップ宣誓制度とは」
https://lgbt-japan.com/partnership/(2023年12月3日 閲覧)
e-GOV法令検索「民法 第二節 婚姻の効力 夫婦の氏 第七百五十条」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089(2023年12月3日 閲覧)
衆議院「日本国憲法 第三章 国民の権利及び義務 第二十四条」
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm#3sho(2023年12月3日 閲覧)