今回のテーマは言葉のアップデートについてです。
僕は言葉のアップデートというのは、セクシュアル・マイノリティ(以下、セクマイと表記)に限らない話だと思います。
自分が放った言葉で周囲を傷つけないためにも、言葉の使い方には細心の注意が必要です。
周囲を傷つけないためにも、どう言葉をアップデートしていけばいいのかを学んでいきましょう。
併せて読みたい
言葉のアップデートに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【誤解を生む言葉について】
①「男だから~/女だから~」

誤解を生む言葉言葉、1つ目は「男だから/女だから~」です。
そもそも、性別を限定的にした発言自体が、個々人のプライバシーを侵害しています。
つまり、セクマイ当事者に何も限った話では無いという事です。
「お前、男らしくないから手術して女になれば?」
「女性だから、早く結婚すれば?」
実際にもしあなたがこのような言葉を目の前で言われたら、どんな気持ちになりますか?
自分がしたくもない事を押し付けられて嬉しいですか?
もし想像が出来るのなら、「自分がもし言われたら?」を考えてください。
②「性自認も性的指向も同じでしょ?」
誤解を生む言葉、2つ目は「性自認も性的指向も同じでしょ?」です。
性自認と性的指向は、全く別物です。
性自認は自分の心の性を指します。
他方、性的指向は、その人が好きになる相手の性の事を指します。
僕、ホノカの性自認は「男性」、性的指向は「女性と男性」なので、シスジェンダーのバイセクシュアルを自認しています。
性自認は男性ですが、男性だからと言って、女性だけに性愛感情を抱くという訳ではありません。
男性の方にも性愛感情を抱く事もあります。
このように、性自認と性的指向は全然違う言葉なので、分けて考える必要があります。
③「セクマイは病気だよね?」
誤解を生む言葉、3つ目は「セクマイは病気だよね?」です。
セクマイは病気ではありませんし、誰かへ伝染するといった事はありません。
自分がどんな性を自認し、誰を好きになるのかは、個々人の価値観によるものです。
セクマイを病気のように扱う事だけは絶対にやめてください。
【言葉をアップデートするには?】
疑問点は素直に聞こう
僕はセクマイに関する疑問点は素直に質問する事が、当事者の方を傷つけないためにも、大切な事だと思います。
「セクマイについて知りたいので、教えていただきたいです。」
このように丁寧に質問をすれば、当事者の方もセクマイに関する基礎知識を教えてくれるはずです。
ただし、「どうして性転換手術をしたのですか?」や、「どうして男性/女性なのに、スカート/ズボンをはいているんですか?」というような外見的な特徴に迫る質問はNGです。
手術をした理由などには、個々人の辛い過去が関係している場合があるからです。
質問に答えようとして、逆に辛い過去(例えば、手術をすると言った際に、周囲から否定されたなど)を思い出させてしまう事もあるからです。
なので、外見的な特徴に迫る質問は、基本的に控えてください。
「性別は何ですか?」というような性別を尋ねる質問も同様にNGです。
疑問点を自分で調べてみよう
自分が疑問に感じた言葉の意味を調べる事も、言葉をアップデートしていく上で有効です。
セクマイ関連の書籍や、b-LIGHTをはじめとする専門機関のサイトを閲覧するなど、調べる手段は色々とあります。
近年では行政機関や企業がセクマイの基礎知識に関する講座を開催している事もあるので、そういったイベントに足を運ぶのも手です。
【まとめ】言葉は広まっていくもの
最後に今回の内容をまとめます。
まとめ
- セクマイ当事者に限らず、性別を周囲へ聞く事は絶対にNG。外見に関する質問も同様。
- セクマイに関してもし疑問があれば、「セクマイに関して知りたいのですが、教えていただけないでしょうか。」というように丁寧に尋ねてみよう。
セクマイは、病気でもありませんし、誰かへ伝染するというようなことは決してありません。
しかし、言葉は人から人へ伝染します。
大人が他人を傷つける言葉を使えば、子供もそれを真似して使ってしまいます。
セクマイに関する無知な言葉を使えば、子供もその言葉を使ってしまいます。
また、特定の言葉だけを差別するような言動をすれば、子供も、その言葉だけを差別するような言動を、大人になってからも繰り返します。
こうした言葉の伝染はどうして起こるのか。
大人が自分達同士で、「その言葉いけないよ」と注意していないからです。
だから、子供はそれを見て「じゃあ、使っていいんだな」と判断してしまいます。
「言葉の伝染」はセクマイに関する話に限った事ではありません。
子供へ言葉遣いを注意する前に、まず僕達大人が、自分の言葉遣いを修正していく事が先です。
そして、誰かが、ひどい言葉を使っていたら、それを止める事。
1人で出来ないのなら、周囲へ協力を求めても構いません。
自分達で気づき、お互いに注意しあえば、誰かを傷つける言葉の伝染は今よりも、食い止められるのではないでしょうか。
まずは、自分の言葉遣いが誰かを傷つけていないか、もし気づけるのならば気付いてください。