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【LGBTQ+コラム】バイスティックの7原則について解説!

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今回は「バイスティックの7原則」について解説します。

このバイスティックの7原則、介護現場などでは主流な考えですが、「アライ」として活動していく上でも大事なものです。

アライを志している人はぜひ、最後まで見てくださると幸いです。

バイスティックの7原則とは?

バイスティックの7原則とは介護や保育の現場等で行う支援業務の基本原則の事を言います。

7原則の大まかな内容は以下の通りです。

  • ①個別化の原則
  • ②意図的な感情表現の原則
  • ③統制された情緒関与の原則
  • ④受容の原則
  • ⑤非審判的態度の原則
  • ⑥自己決定の原則
  • ⑦秘密保持の原則

次の項目からはそんな7原則の主な内容を見ていきます。

【原則①】個別化の原則

1つ目、個別化の原則は「1人の人間をかけがえのない一個人として捉える」という考え方を表しています。

支援をしていく上では当事者の人格を否定する事は決して許されません。

否定をされた当事者は支援者に対して心を閉ざしてしまい、支援どころでは無くなってしまいます。

アライとして当事者を見た目や言動だけで判断せず、その人の特性に沿った支援をしていく事が求められます。

【原則②】意図的な感情表現の原則

2つ目、意図的な感情表現の原則は「当事者のポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情も受け止めてあげよう」という考え方を表しています。

もしかしたら、中には「常にポジティブでいなくちゃダメだ」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、「何でもポジティブに行こう」という考え方は逆に当事者の方に対して「常にポジティブでいなきゃ」という事を強要させるものです。

人間、365日常にポジティブな人はいません。

だから、落ち込む時は落ち込んでも全く問題ないのです。

そうした当事者のありのままを受け止める姿勢が、どんな事も自然と話し合える雰囲気作りに繋がります。

【原則③】統制された情緒関与の原則

3つ目、統制された情緒関与の原則は「支援者は当事者の感情に引きずられすぎないようにしよう」という考え方を表しています。

アライの方は当事者と関わる中でたくさんのネガティブな感情に向き合っていかなければなりません。

そんな当事者の感情に引きずられすぎると、アライ自身がしんどくなって「もうしんどいから、支援をやめたい」という事態になりかねません。

そうならないためにも、アライの方も一人で抱え込まず、自分自身の悩みを周囲に相談できるようにしていく必要があります。

【原則④】受容の原則

4つ目、受容の原則は「当事者のあるがままを受け止めよう」という考え方を表しています。

LGBTQ+の社会での認知度は低く、僕達当事者は孤立しがちです。

普段は「変だ」と見なされるからこそ、味方が1人増えるというのはとても嬉しい事です。

そんなアライは僕達当事者の絶対的な味方です。

アライは当事者を裏切ってはなりません。

アライに求められるのは「否定」ではなく、「受容=受け止める」という事なのです。

【原則⑤】非審判的態度の原則

5つ目、非審判的態度の原則は「当事者の行動を自分の価値観だけで判断してはいけない」という考え方を表しています。

支援の方向性を決めるのはアライではなく、当事者本人に他なりません。

アライはあくまで支援のサポーターです。

支援の主役は当事者本人である事を忘れないでください。

アライが支援を主導するわけでは決してありません。

【原則⑥】自己決定の原則

6つ目、自己決定の原則は「自分の事は自分自身で決める」という考え方を表しています。

支援の過程で何か壁にぶち当たったとしても、その壁を壊すのはアライではなく、あくまで当事者です。

先程も解説しましたが、支援の主役は当事者本人です。

アライは当事者が自分自身で問題を解決できるよう、サポートしていく役割があります。

【原則⑦】秘密保持の原則

7つ目、秘密保持の原則は「支援の過程で得た情報は決して周囲へ漏らさないようにしよう」という考え方を表しています。

セクシュアリティに関する話題はとてもセンシティブです。

万が一、情報が洩れれば悪質なアウティング行為に繋がりかねません。

アライとして関わる上で情報管理はとても重要な業務の1つといえます。

【まとめ】支援に正解は無い

支援の仕事には「しんどい」「大変」というネガティブなワードがまとわりがちです。

理由は支援が決してゴールや正解がない道のようなものだからです。

支援に関して「これが正解だ!」という絶対的回答は存在しません。

1人1人、違う個性を持っているから、その個性に沿った支援を常に考える必要があります。

ゴールや正解が無いしんどく長い道のりをどう進んでいくのかは当事者との関係次第ではないでしょうか。

アライとして関わる際は今回紹介したバイスティックの7原則をぜひ忘れないでください。

参考文献一覧

三幸福祉カレッジ「バイスティックの7原則とは?事例を交えて対人援助のポイントをご紹介」https://www.sanko-fukushi.com/news/baisutxixtuku7gensoku-column/(2024年8月11日 閲覧)

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ホノカ

大学生時代、友達との出会いがきっかけでLGBTQに興味を持ち、その後b-LIGHTに出会って、ライターとして活動するようになりました。 セクシュアリティはシスジェンダーのバイセクシュアルですが、流動的に性愛感情を抱く対象が男性か女性か、変わります!