コラム

【LGBTQ+】パス度とは?その意味を徹底解説!

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こんにちは!b-LIGHTのライター、ホノカです!

突然ですが、皆様は自分自身の性別を他者から勝手に決めつけられたら、どんな気持ちになりますか?

自分自身が認識している性別とは真逆の事を言われると、腹が立ったり悲しくなってしまいますよね。

今回紹介するパス度は、そんな性自認とかなり関係が深い用語です。

パス度という言葉を知りたい方はぜひ一度読んでいただけると、幸いです。

パス度とは?

パス度とは自分自身が認識している性自認が、外見上第三者から認識されているかどうかを表す度数の事を言います。

「パス度は高い」「パス度は低い」という使い方をします。

例えば、MTF当事者(性自認:女性 身体的特徴:男性)の場合は第三者から女性として認識されれば「パス度は高い」と言えます。

逆に女性と認識されなければパス度は低いと言えます。

そんなパス度に関しては、かなり悪質な偏見が数多く見られます。

次の項目からは、パス度にまつわるかなり悪質な偏見について解説します。

パス度にまつわるかなり悪質な偏見について

【偏見①】パス度を盾に、悪い事が出来る

パス度に関する悪質な偏見、1つ目は「パス度を盾に、悪い事が出来る」というものです。

過去には、MTF当事者が女子トイレでの自撮り画像をTwitter(現:X)に挙げて大炎上したりとパス度を逆手に取ったようなとても悪質な事件がありました。

こうした事件から、パス度を逆手に「常識のかけらも無いような行動を取ってもいい」のような偏見が生まれてしまいました。

しかし、パス度を逆手に取る事自体がそもそもありえないと思うのです。

パス度は、悪い事をするための言い訳ではありません。

パス度は、当事者自身にとっては大きな自信の1つと言えるものなんです。

「自分は周囲など、社会から受け入れてもらえているんだ」というように。

自分自身の性自認と第三者の認識が合っていたら、「自分は誤解されていないんだな」と嬉しくなります。

それは当事者自身にとって、とても大きな自信です。

パス度は、悪い事をするための言い訳ではなく、当事者にとって大きな自信の1つといえるものだという事をぜひ覚えていただきたいです。

【偏見②】パス度は他者を評価するための指標

パス度に関する悪質な偏見2つ目は「パス度は他者を評価するための指標」というものです。

パス度が低いもしくは高い事を理由に「あの人は~だ」と他者を決めつける事をしてもいいというような風潮があります。

例えば、「パス度が低い=~さんって人として成熟していないよね」というようなものです。

当然、それは大きな間違いです。

パス度は自分自身が認識している性自認が、外見上第三者から認識されているかどうかを表す度数の事であり、その先に他者批判はありません。

さて、ここまでパス度にまつわるかなり悪質な偏見について見てきました。

次の項目からは、そんなパス度を上げるための努力について解説します。

パス度を上げるための努力

パス度を上げるためには、様々な努力があります。

例えば、普段の仕草や表情などを変えてみる。

性別適合手術(以下、SRSと表記)を受けてみる。

声を変えるためのボイストレーニングを受けたり、髭を生やしてみたり。

そういったパス度を上げるための努力はとても過酷なものです。

時間やお金など、労力がかなりかかってしまう事は間違いありません。

特にSRSについては莫大な費用がかかってしまいます。

それでも、当事者の方々は努力を続けます。

それは何故か。

私も含めた当事者は社会に自分達の事を受け入れてほしいと強く願っているからです。

そのために当事者の方々は、影で血が滲むような努力をしているんです。

それくらい周囲に受け入れてもらいたいと、とても強く思っているんです。

自分の事を周囲から拒絶されるのは、本当に辛い事なんです。

でも、パス度は自分が周囲から受け入れられている事を表す自信の元となる指標です。

パス度がもっと上がれば、自信にも繋がるし、「拒絶されるかも」と思う必要もありません。

だから当事者の方々はパス度を上げるために陰で様々な努力をしているんです。

ぜひ、その事を知っていただきたいです。

最後に

最後に今回取り上げたパス度についてまとめます!

まとめ

  • パス度:自分自身が認識している性自認が、外見上第三者から認識されているかどうかを表す度数の事
  • パス度は悪い事をするための言い訳でも、他者を評価するための指標では決して無い。
  • パス度は当事者の方々にとって自分自身が周囲から受け入れられているかどうかの自信となる指標。

「相手から自分の性別はどう見られているか?」を気にするのは私達セクシュアル・マイノリティ当事者が社会に適応していく上ではとても大切な事です。

しかし、自分視点よりも相手視点を優先しすぎた場合、「自分って誰のために生きているんだろう?」と思い悩む事もあるのではないでしょうか。

確かにパス度は当事者にとっては自分が受け入れられているかどうかに繋がる自信となる度数です。

「パス度を頑張って上げたい!」という人もいます。

ただ、パス度を上げるのに必死なあまり、自分は誰のために生きているか分からなくなってしまい、思い悩んでしまう人もこの社会にいると思うのです。

自分の性自認と相手が思っている性別がイコールになるのはとても嬉しい事です。

ただ性別どうのこうのよりも、自分を一人の人間として受け入れてくれる環境を探して、そこに身を置きたい、つまりパス度を上げる事をそこまで重要視してはいない人もいるのではと私は思っています。

だから「パスを上げていく事=必然」が必ずしもどの当事者に当てはまるわけではないかもしれないと僕は考えています。

参考文献一覧

All About「パス度を上げるにはどうしたらいいの?」https://allabout.co.jp/gm/gc/432302/(2024年6月9日閲覧)

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ホノカ

大学生時代、友達との出会いがきっかけでLGBTQに興味を持ち、その後b-LIGHTに出会って、ライターとして活動するようになりました。 セクシュアリティはシスジェンダーのバイセクシュアルですが、流動的に性愛感情を抱く対象が男性か女性か、変わります!