コラム

【LGBTQ+コラム】カミングアウトはするべきか?

突然ですが、皆様は家族や友人などへカミングアウトをした経験はありますか?

カミングアウトとは、自分のセクシュアリティを、周囲へ打ち明ける事を言います。

セクシュアル・マイノリティ(以下、セクマイと表記)に関しては、理解者が少ないのが現状です。

理解者が少ないからこそ、私達当事者は、周囲の身近な人へ、自分の事を理解してほしいと強く望むものです。

では、私達当事者は周囲の人へカミングアウトをするべきなのでしょうか。

今回の記事ではバイセクシュアル当事者である私、ホノカがカミングアウトを周囲の人へするべきかどうか、その考えについて述べます。

カミングアウトはするべき?

カミングアウトをする上で、私は、自分自身が傷つかないかどうかを重要視するべきだと考えています。

先程も述べましたが、私達当事者は理解者が少ない分、周囲の身近な人に自分の事を理解してほしいと強く望むものです。

しかし、身近な人が必ずしも自分の全てを理解してくれるとは限りません。

「両親なら/友人なら理解してくれるはずだから、カミングアウトしよう」

そう思って、カミングアウトした結果、受け入れられなかったら、自分自身がとても深く傷ついてしまいます。

それはどういう事なのか。

次の項目で説明します。

カミングアウトをする前に、知っておいた方がいい事

私が言いたいのは、人生の中で巡り合う人全員がセクマイに関する知識を有しているわけではないという事です。

両親や友人の中で、生涯、セクマイに関する知識に触れた人はどれだけいるでしょうか。

その数は本当に少ないと私は思います。

触れられなかったとしても、例えば、以下のような理由が考えられます。

  • 学校が、セクマイに関する知識を教えてくれなかった
    →セクマイの事を知らないままになる
  • 周囲の友人が、そもそもセクマイに対しての興味・関心が無かった
    →自分自身もセクマイへの興味・感心が無くなる

これはコントロールが出来ない外的要因ばかりなので、どうする事も出来ません。

では、セクマイに関する事を知らない人にカミングアウトをするとどういった事が起きてしまうと考えられるのでしょうか。

セクマイの事を全く知らない人へカミングアウトをすると?

相手から拒否されてしまう事に繋がりかねません。

先程述べたような外的要因により、セクマイの事を全く知らないまま生きてきた人に、カミングアウトをしても、むしろ困惑を与えてしまいます。

今まで自分が全くもって知らなかった事を急に言われても、受け止めきれるはずがないからです。

結果、カミングアウトを受けた人は相手の事を受け止めきれずに、拒否してしまう事になりかねません。

「生涯、巡り合う人全員がセクマイに関する知識を有しているわけではない」

こう考えてみると、周囲へカミングアウトを本当にするべきかどうかを一旦、冷静に考えられる事が出来ると思います。

さて、次の項目からは、自分なら、カミングアウトをしても良い相手について解説します。

自分ならカミングアウトをしても良い相手

私はセクマイに関する、いわゆる専門機関の人には、カミングアウトをしても良いのではないかと考えています。

例えば、自分の所属先であるb-LIGHTです。

代表であるばんさんを始め、サイトメンバーの方は当事者であり、セクマイに関する知識は、両親や友人以上にあります。

だからこそ、安心して、カミングアウトをする事が出来ました。

両親や友人といった身近な人へカミングアウトをしにくい人は、b-LIGHTを始めとする専門機関へのカミングアウトを検討しても良いと思います。

一方で、周囲に打ち明けられない日々を過ごす時間が辛いという方もいます。

そういった悩みを含めて、ぜひ私達b-LIGHTへ相談をしてみてください。

私、ホノカ指名でも構いません。

お問い合わせについて

私達b-LIGHTへのお問い合わせはここから出来ます!

次の項目からは、周囲へカミングアウトが出来ない時間を過ごすのが辛いという悩みについて、私なりの解決策を、行動面と思考面の2つに分けて、述べたいと思います。

カミングアウト出来ない時間をどう過ごせばいいのか?

行動面について

私なら、1人で過ごす時間を増やす事に注力します。

自分の部屋で、趣味に没頭したり、1人で遠出をしてみたり。

誰かといるのではなく、1人でいる事で、気持ちをリセットするようにします。

また、当事者同士が交流出来るオフラインのイベントに参加する事もしました。

当事者同士による交流を通じて、悩みを相談したり、自分と同じ境遇にいる方の話を聞いたりしました。

どう思うかは、人それぞれだと思いますが、私は「自分だけじゃないんだな」と知れる事が出来ました。

思考面について

一方、思考面では「両親や友人は悪くない」というように考えました。

セクマイに関する知識を知らなかったのは、学校が教えてくれなかったというような、外的要因が考えられます。

だから、過度に周囲を責めても、意味は無いかもしれないと思いました。

それでも、しんどくなった際は、b-LIGHTといった専門機関へ、すぐ相談しました。

次の項目からは、1人で悩みに対して対処する際の注意点について解説します。

1人で悩みへ対処する時に、大切な事

それは、1人で頑張りすぎない事です。

人間、何か物事を1人で全て解決しようとするのには、必ず限界があります。

限界を超えて、しんどくなってしまう前に、私達b-LIGHTへ相談する事をオススメします。

誰にも言えない悩みを抱えながら、1人で、頑張ってきたあなたはとても凄いです。

だから、壊れてしまう程に、頑張りすぎる必要なんてもうありません。

1人での対処に限界を感じたら、すぐに私達b-LIGHTを頼ってください。

次の項目からは、記事を読んでくれた方が誰かからカミングアウトを受けた際の注意点を解説します。

【もしカミングアウトを受けた際は】アウティングは絶対にNG

もし、誰かからカミングアウトを受けた際、その事を、当事者の許可なしで、第三者に言う事は絶対にやめてください。

当事者の許可なく、第三者へセクシュアリティを打ち明ける行為をアウティングといいます。

アウティングは、当事者の人権を著しく傷つける、重大な犯罪行為です。

アウティングが原因で命を絶ってしまう当事者の方もいます。

自分自身の身勝手な行為が誰かの命を奪いかねない事を決して忘れないでください。

【まとめ】カミングアウトについて

相手に理解してもらうよりも、自分の心を守る事を絶対に最優先してください。

両親や友人、さらに学校の先生などがセクマイに関する知識を必ず有しているとは限りません。

カミングアウトをしても、理解されるのが難しい可能性の方が大きいです。

セクマイに関する知識を吸収できなかったのは、様々な外的要因が原因であるため、両親や友人などを過度に責める必要はありません。

自分が傷つく可能性があるのにもかかわらず、無理をして、周囲へカミングアウトをする必要は全くないと私は思います。

自分の心を守るために、友人や両親といった周囲へ敢えてカミングアウトをしない事も、時には必要です。

相手の方をコントロールする事はとても難しいですが、自分自身ならコントロールをする事が出来るはずです。

「カミングアウトをしたら、自分の心は傷つくのか?」

もし、傷つくと思うのなら、周囲へのカミングアウトは絶対に避けるべきです。

自分の心を守る行動を最優先に取る事を忘れないでほしいです。

参考文献一覧

福岡県 ❞LGBTQ ”アウティング”は、本人のプライバシー権を侵害する重大な問題です!❝ https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/outing.html, (2025年8月10日 最終閲覧)

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ホノカ

大学生時代、友達との出会いがきっかけでLGBTQに興味を持ち、その後b-LIGHTに出会って、ライターとして活動するようになりました。 セクシュアリティはシスジェンダーのバイセクシュアルですが、流動的に性愛感情を抱く対象が男性か女性か、変わります!