コラム

【相手に不快な思いをさせないために】性的同意の話

性的同意は相手の心や身体を傷つけないためにも、有効な手段です。

心や身体が傷ついたら、元に戻るまでには相当の時間がかかる事があります。

しかし、傷が一生癒えない可能性もあるのです。

そんな最悪な事態を防ぐためにも性的同意は避けては通れません。

ただ、「性的同意ってどう取ればいいのかな?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そんな人のために、今回は性的同意の意味、そして性的同意を取る上でのポイントと性的同意の取り方を解説します。

過去に性的同意が取れていなかった方は今後、自分はどうすればいいのかをこの機会に考えてみてください。

性的同意とは?

性的同意とはセックスやハグ、キスといった行為に対して、その行為を積極的にしたいかどうか、お互いの意思を確認しあう事を言います。

ちなみに、セックスといった性行為への同意を自分で判断できるとみなす年齢の事を性交同意年齢といいます。

日本では2023年7月13日から性交同意年齢が13歳から16歳へと引き上げられています。

次の項目からは、性的同意を取る上でのポイントについて改めて解説します。

性的同意のポイント

【ポイント①】デート=性行為がある前提か

ポイント1つ目は「デート=性行為がある前提か」です。

デートをするから性行為を必ずするというわけではありません。

疲れているから、眠たいからというようにお互いの気分や体調のコンディションもあります。

だから、デートと性行為は必ずしもセットというわけではありません。

「デートと性行為はセット」というのは相手の一方的な思い込みで

【ポイント②】キスをしたら、性行為OKか

ポイント2つ目は「キスをしたら、性行為OKか」です。

OKではありません。

相手は挿入とかではなくて、キスやハグのみをしたいだけかもしれないですよね。

もしセックスをしたいのなら、「セックスしたいけど、いい?」というのは必ず聞いてください。

【ポイント③】付き合う=性行為は当たり前か

ポイント3つ目は「付き合う=性行為は当たり前か」です。

パートナーとお付き合いする上で、性行為が当たり前かというと、そうではありません。

お付き合いする上で性行為を重視する人もいれば、そうではない人もいます。

性行為ではなくて1人で過ごす事やお互いに話し合う時間を重視する人もいます。

だから、お付き合いする=性行為は当たり前というわけでは決してありません。

【ポイント④】男女2人きり=性行為はOKか

ポイント4つ目は「男女2人きり=性行為はOKか」です。

2人きりだからといって、必ず性行為があるわけでは決してありません。

先程も言いましたが、「2人きりになったら性行為OK」は相手の同意を一切無視したものに過ぎません。

自分の勝手な思い込みだけが先行しています。

何も同意が無いままの性行為は犯罪です。

【ポイント⑤】拒否されない=OKか

ポイント5つ目は「拒否されない=OKか」です。

拒否されない=OK、と思う人もいるかもしれません。

しかし、そのOKは先の事(例えば、挿入など)ではなくて、「手を繋ぐ」「ハグ」といった前段階の事にのみOKという意味かもしれないですよね。

だから、拒否されない=OK、とは言えないです。

性的同意は「キスをしたい」「ハグをしたい」など、その都度その都度の確認が非常に重要です。

さて、次の項目からは、性的同意の具体的な取り方を解説します。

性的同意の取り方

お互いに性行為を望んでいるか、どうか

1つ目はお互いに性行為を望んでいるかどうかです。

どちらか一方がしたいのでは、性的同意が取れたとは言えません。

お互いにしたいという気持ちがあるか、どうかは必ず確認してください。

性行為をしたいか、どうか

2つ目は性行為をしたいかどうかです。

性的に興奮している、お互いに深く繋がりあいたい...

そういった意思があるか、互いに話し合って確認を取りましょう。

すぐに結論を出す必要は全くありません。

時間をかけて話し合うのが一番です。

性行為をしたい場所であるかどうか

3つ目は性行為をしたい場所であるかどうかです。

性行為をしたい場所として、例えばラブホテルなどが挙げられます。

なるべく、人に見られない場所を選びましょう。

性感染症や避妊などについて、互いに納得が出来ている状態であるか

そして4つ目は性感染症や避妊について互いに納得が出来ている状態であるかどうかです。

コンドームはあるかどうかなど、お互いに安心な状態であるかどうかを確認するのも大切です。

以上、4つのポイントですが、前提はお互いが平等な関係である事です。

平等である事は自然と安心感を生みます。

どちらかが上でどちらかが下では安心は全く生まれません。

ここまで性的同意のポイントや取り方を解説しました。

さて、そんな性的同意は、あるセクシュアリティと深く関係しています。

次の項目からは、その事について解説します。

ポリアモリーと同意

「同意」という言葉がとても密接に関わるセクシュアリティがポリアモリーです。

ポリアモリーとは複数人の方と同意を得た上でお付き合いをするという恋愛スタイルで複数恋愛とも言われます。

同意を得ないまま複数人とお付き合いするのは浮気であり、周囲の人をとても深く傷つけます。

周囲の人を傷つけないためにも、「同意」というプロセス(過程)はポリアモリーを実践する上では、絶対に避けては通れないのです。

併せて読みたい!

ポリアモリーについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

https://blight-japan.com/whatisthepolyamory/

終わりに

最後に性的同意についてまとめます!

まとめ

  • 性的同意はその都度の確認が必ず必要。
  • 思い込みを無くしていくのは性的同意を正しく取れる事に繋がる。

性的同意を取る事は冒頭で述べたように、相手の心身を守るためにも大切ですが、一方で自分の心身を守る事にも繋がります。

同意無しの性行為は性感染症に罹ってしまうリスクも高まる他、「相手を傷つけてしまった」というように自尊感情の低下にも直結してしまいます。

相手だけでなく、自分を守るためにも性的同意の取り方を覚えて、活用していただければと思います。

参考文献一覧

NPO法人ピルコン「性的同意」https://pilcon.org/help-line/consent(2024年9月28日閲覧)

NHK「性交同意年齢とは?なぜ13歳?世界では…<用語解説>」https://www.nhk.or.jp/minplus/0026/topic029.html(2024年9月28日閲覧)

法務省「性犯罪関係の法改正等 Q & A」https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html(2024年9月28日閲覧)

命育「【専門家監修】性的同意って何?同意のとり方は?チェックリストや動画で学ぼう」https://meiiku.com/howtonavi/sexualconsent/(2024年9月28日閲覧)

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ホノカ

大学生時代、友達との出会いがきっかけでLGBTQに興味を持ち、その後b-LIGHTに出会って、ライターとして活動するようになりました。 セクシュアリティはシスジェンダーのバイセクシュアルですが、流動的に性愛感情を抱く対象が男性か女性か、変わります!