コラム

同性パートナーシップ制度とは? メリットやデメリットを解説!

2022年8月18日

「同性パートナーシップ制度って、利用するメリットってあるの?」という声を、最近よく聞くようになりました。

ここ数年で、日本全国のさまざまな自治体で同性パートナーシップ制度が整ってきました。しかし、制度が整っても自治体によっては利用するカップルが少ないのも現状です。

そこで今回の記事では、同性パートナーシップ制度とは何か、制度を利用するメリットやデメリットについて解説します!

同性パートナーシップ制度を利用するかで悩んでいる同性カップルの皆様、是非参考にしてください!

同性パートナーシップ制度とは?

東京都渋谷区の「渋谷区パートナーシップ証明」のサイトには、このように記載されています。

パートナーシップ証明は、法律上の婚姻とは異なるものとして、男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備えた、戸籍上の性別が同じ二者間の社会生活における関係を「パートナーシップ」と定義し、一定の条件を満たした場合にパートナーの関係であることを証明するものです。

渋谷区「渋谷区パートナーシップ証明」より引用

同性パートナーシップ制度は、法的拘束力はありません。その代わりに市町村レベル(もしくは都道府県レベル)にて、同性カップルとして認め、証明書を発行するという制度です。

同性パートナーシップ制度の誕生により、様々な社会制度を利用しやすくなりました。

2022年8月現在、同性パートナーシップ制度は225の自治体にて導入され、人口カバー率52.9%となっています。(参考:みんなのパートナーシップ制度)

補足

日本で初めて同性パートナーシップ制度が整ったのは、2015年11月の東京都渋谷区「渋谷区パートナーシップ証明」です。

同性パートナーシップ制度と同性婚との違いは?

結局、同性パートナーシップ制度は
同性婚ってことでしょ?

という声をよく耳にしますが、それは違います。同性パートナーシップ制度と同性婚は別物です。

ポイント

  • 同性パートナーシップ制度法的拘束力はないが、カップルとして認められた「同性カップル」
  • 同性婚法的に認められた「同性カップル」

同性パートナーシップ制度を利用しても、男女の結婚のような権利はありません。

たとえば、「苗字を変更する」「(国際カップルの場合)配偶者ビザが取得できる」などは、同性パートナーシップ制度を宣誓しただけでは利用できません。

同性パートナーシップ制度が整っていくのは、当事者としてとてもありがたいです。しかしそれだけでは不十分であるため、同性婚の法整備も強く願っています。

同性パートナーシップ制度を利用するメリットとは?

同性パートナーシップ制度を利用したらどのようなメリットがあるのか、解説していきます!

メリット

  • 市営住宅の入居申し込みができる!
  • 市民病院などでの対応がスムーズに!
  • 民間の保険や通信サービスなどで、家族向けサービスの利用が期待できる!

【メリット①】市営住宅の入居申し込みができる!

市営住宅に申し込みする際、これまでは「同性パートナーは家族として認められない」ため、入居するのが難しい状況でした。

同性パートナーシップ制度を利用していれば、入居の申し込みができるようになりました。

同性カップルが入居できる物件を探すのはなかなか難しいです。そのため、市営住宅などが選択肢に入ることは嬉しい限りです!

【メリット②】市民病院などでの対応がスムーズに!

パートナーが救急車で運ばれるとき、もしくは命を引き取るとき。

同性パートナーは、家族ではないという理由で、救急車の乗車や面会を断られるケースが少なくありませんでした。

しかし同性パートナーシップ制度を利用すれば、パートナーとの関係を公的書類にて証明できるため、救急車の乗車や面会での手続きがスムーズにできます。

注意

もちろん全ての自治体・全ての病院が、そのように対応してくれるとは限りません。

詳しくは各自治体の同性パートナーシップ制度ページをご確認ください。

【メリット③】民間の保険や通信サービスなどで、家族向けサービスの利用が期待できる!

同性パートナーシップ制度があれば、「保険金の受け取りをパートナーにする」ことであるとか、「スマホで家族割を適用させる」など、様々な家族向けサービスを受けやすくなります。

これらのサービスの拡充は、今徐々に増えています。今後に期待ですね!

同性パートナーシップ制度を利用するデメリットとは?

メリットは反対に、同性パートナーシップ制度に関するデメリットにも触れていきます!

デメリット

  • 同性パートナーシップ制度には法的拘束力がない!
  • 別の市町村へ引越しするときは、返還しないといけない!

【デメリット①】同性パートナーシップ制度には法的拘束力がない!

同性パートナーシップ制度は現状、「市町村レベル」か「都道府県レベル」での制度です。

そのため、残念ながら法的拘束力はありません。

「市民病院などでの対応がスムーズに」なると言っても、『法的家族ではないため』と突き返される可能性は十分にあります。

この点は、早く法整備されることを切に願います。

【デメリット②】別の市町村へ引越しするときは、返還しないといけない!

男女で結婚する場合、婚姻届を出したらその後やることは特にありません。それは法的に守られた関係だからです。

しかし同性パートナーシップ制度では、他の市町村へ引越しする場合、注意が必要です!

たとえば、2人そろってA市からB市に引越す場合、

(例)A市からB市へ引っ越す場合

  • A市の同性パートナーシップ制度を返還する
  • A市からB市へ、住民票を移す
  • B市で同性パートナーシップ制度を宣誓する

というように、同性パートナーシップ制度を返還+再宣誓する手間があります。B市に同性パートナーシップ制度が整っていない場合、もちろん宣誓できません。

他の市町村に引っ越す予定がある人は、注意が必要です!

2023年9月に、パートナーと市外へ引っ越したのですが、
返還して、再宣誓する、という流れをやってきました。

引越し手続きでいずれにしても市役所に行くので
そこまで手間には感じませんでしたが、
結婚している人たちはやらない手続きと考えると
改善してほしいですね…!

ばん

同性パートナーシップ制度を利用するための条件は、各自治体による!

同性パートナーシップ制度を利用するための条件は、各自治体によって違いがあります!

宣誓をする際の必要書類なども、異なる場合があります。

その条件については各自治体の同性パートナーシップ制度ページに記載されています。必ずご確認ください!

【まとめ】同性パートナーシップ制度を利用するメリットとデメリットは?

今回の記事で紹介した、同性パートナーシップ制度を利用するメリットとデメリットについて、最後にまとめます!

メリット

  • 市営住宅の入居申し込みができる!
  • 市民病院などでの対応がスムーズに!
  • 民間の保険や通信サービスなどで、家族向けサービスの利用が期待できる!

デメリット

  • 同性パートナーシップ制度には法的拘束力がない!
  • 別の市町村へ引越しするときは、返還しないといけない!

どんな制度を利用するにしても、メリットとデメリットは必ずあります。しかし、それらの内容を理解して、あなたにあった制度を正しく利用することが重要です。

そして今後、日本での同性婚法整備が整うためには「同性パートナーシップ制度が必要であり、この制度だけでは不十分」ということを国に訴えていく必要があります。

同性パートナーシップ制度を利用するかで悩んでいる同性カップルの皆様。今後の日本のために、是非「同性パートナーシップ制度」を利用してみてください!

追記

自治体の同性パートナーシップ制度の他にも、Famieeというサービスがあります。Famieeでは、住んでいる自治体に関わらずに取得・利用ができるため、様々な方が利用しやすいです。是非こちらもご覧ください!

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ばん

当サイトの運営メンバー。 会社員をしながら、2019年からブログを運営し、これまでの経験などをブログに投稿。 ブログ活動をしながら「LGBTQ向けのポータルサイトを作りたい」気持ちが増し、当サイトが誕生した。